調達する通貨と投資する通貨を分ける
BISの2024年9月の説明では、低金利通貨で資金を調達し、別通貨のより高い利回りの資産に投じる仕組みがキャリートレードの一例です。借入れやデリバティブ等でレバレッジを使う場合は、為替・金利・変動性の変化に敏感になります。
実際の調達金利、運用利回り、期間と費用を揃えて確認します。『日本円はいつも低金利』『高金利通貨は常に上がる』といった固定的な前提を置きません。
金利差4%でも、円高で損失になる仮定例
仕組みだけを示すため、100万円を年1%で1年間借り、1米ドル=100円で1万米ドルへ交換し、年5%で運用する単純な仮定を置きます。費用・税・信用損失なし、利率固定とします。実在の利用条件や推奨ではありません。
満期の外貨は10,500米ドル、円の返済額は101万円です。為替が100円のままなら105万円−101万円=4万円ですが、95円へ動くと997,500円−1,010,000円=−12,500円です。金利差があっても総結果は赤字になりえます。
FXのスワップを借入れ・預金の利息に置き換えない
FXのスワップポイントは各商品の公表値と付与条件を使って確認します。政策金利差だけから正確な受取額を決めたり、将来の受取りを固定したりすることはできません。
受取スワップだけでなく、価格差、費用、資産状況と強制決済の可能性を含めます。付与日数を二重に掛けない計算とスワップ比較の確認項目を読んでください。
巻き戻しは、出口が重なるリスク
保有を減らす取引が重なると、投資通貨の売却や調達通貨の買戻しが値動きと関連する場合があります。BISの2026年5月の公開研究要点も、積み上がった取引の巻き戻しが政策変更への為替反応を増幅しうるとしています。著者の分析であり、現在の全ポジションや将来の利益を確定するものではありません。
決済したい時に希望価格で成立する保証はありません。流動性・証拠金超過損等のリスクを確認し、過去の低い値動きを将来の安全性へ読み替えないようにします。