1. 預金ではなく投資信託
外貨MMFで持つのは投資信託の受益権です。外貨MMFは投資信託であり、外貨額・円換算額のいずれも元本保証ではなく、為替に加えて組入資産の価格、金利、発行者の信用や流動性の変化などで元本割れが生じます。
分配実績や参考利回りは将来の固定金利ではありません。公社債中心という投資方針だけで、外貨額・円換算額とも無損失とは判断しません。各ファンドの最新目論見書と補完書面を読みます。
2. 売却して使える外貨になるまでの時間
証券買付へ使うなら、受付締切、ファンド/為替の休場、約定日、受渡日、買付可能額への反映を確認します。MMFを保有しているだけで株式代金へ自動充当されるとは考えません。
円貨決済と外貨決済では、必要な資金と適用為替レートの確定方法が異なります。売却注文の受付、約定、受渡、外貨買付可能額への反映は、それぞれの商品ルールで確認します。具体経路は利用する証券会社の条件を確認し、銀行へ出金できる時刻と証券の買付可能時刻を混同しません。
3. 米国株の待機資金に使う場合の手順
SBI証券の公式FAQでは、米ドル建MMFのまま米国株を買うことはできず、外貨決済で解約してから注文すると案内しています。解約代金は米ドルで外貨建商品取引口座へ入ります。MMFの評価額を、そのまま注文に使える現金とみなしません。
- 購入予定の株式、決済通貨と必要額を決める。
- MMFの売却締切・休場日と、外貨買付余力への反映を確認する。
- 反映後の米ドル残高で注文できる数量を確認する。
- 購入が不要になった場合も、売却済み現金とMMF残高を分けて記録する。
同社FAQでは金額指定と全部指定で分配金の反映が異なる場合も示されています。これはSBI証券の例です。他社の自動売却・買付機能とは区別してください。銀行への送金や海外での支払いには、さらに出金手続きが必要です。外貨を受け取る経路も確認します。
4. 交換費用と運用費用を分ける
売買手数料が無料でも、円/外貨交換の費用や、ファンドの管理報酬・その他費用がないとは限りません。費用が基準価額等へ反映される仕組みと、別途引かれる費用を区別します。
外貨から購入して外貨で売却する経路、円で購入して円へ戻す経路を別に試算します。円換算の最終損益には為替変動も含め、表示利回りと全体の実績を同一視しません。
5. 為替差益非課税を前提にしない
日本の一般的な個人課税で、公募公社債投資信託である外貨MMFの分配、譲渡・償還損益は2016年から申告分離課税の対象です。2026年の一般税率は復興特別所得税を含む合計20.315%。外貨MMFの売却益を『為替差益だから非課税』と扱いません。
特定口座・源泉徴収の有無、上場株式等との通算、他口座との通算や繰越のための申告は、それぞれ条件があります。FXの損益とは通算区分が異なります。また、外貨現金の交換損益とMMFの円換算譲渡損益も別に記録し、個別の計算と申告を確認してください。