1. 円換算の資産額か、外貨の支払額か
円の生活費を安定して確保したい場合と、将来確定している外貨の支払いを準備する場合では、評価する基準が違います。『外貨だから安全』ではなく、必要額・通貨・期日を決めます。
日本の将来や特定通貨の値動きを一方向に予測して資金を集中させることは、分散とは別です。金融庁の資産形成の説明も、ライフプランと資金が必要な時期に合う使い分けを重視しています。
2. 支払通貨を合わせる効果を数字で見る
仮定として、半年後に1,000USDを支払う予定があり、今150円/USDで1,000USDの現金を取得して保有できる場合を考えます。費用・利息・税金は省いています。
- 支払時が160円/USDなら、後から外貨を買う場合は160,000円。既に保有する1,000USDは、支払額の為替変動を抑える助けになります。
- 支払時が140円/USDなら、後から買う場合は140,000円。先に150,000円で準備した方が有利とは限りません。
通貨・数量・期日が一致する範囲で支払いを準備する例であり、円換算の元本や資産全体の安全を保証しません。支払予定の変更、資金移動の締切、交換・送金費用、金融機関の信用も残ります。
3. 通貨と資産の分散は同じではない
金融庁は、値動きが異なる複数の資産への分散という考え方を説明しています。複数通貨の残高を持つだけで、株式・債券・預金などの資産リスクまで分散されるとは限りません。
複数の外貨が円に対して同じ方向へ動く場合や、資産価格と為替が同時に不利へ動く場合も想定します。外国株式や外貨MMFも、外貨額だけでなく運用資産・価格・信用・費用を確認します。利用する口座と商品の取扱範囲も確認します。
4. FX建玉を外貨の支払資金と同一視しない
通常のFX建玉は、そのまま支払いに使える外貨現金ではありません。実際の外貨受取りには対応する商品、全額資金、受渡手続きと受取先が必要です。
相場の変動を一部相殺する目的でも、FXには証拠金不足、強制決済、約定の価格差、スワップなどの負担が残ります。外貨現金の上の例を『少額証拠金で無リスクのヘッジができる』と読み替えないでください。外貨を受け取る経路とFX固有のリスクを確認します。
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